副鼻腔炎について

鼻腔(びくう)のまわりにある顔の骨のほら穴を副鼻腔(ふくびくう)と言い、ここに膿 が溜まるのが一般に蓄膿症と言われているものです。耳鼻咽喉科的には慢性副鼻腔炎と言っています。ひたいにある前頭洞、眼と眼の間にある篩骨洞、ほほの奥にある上顎洞、篩骨洞の後ろで脳の下のほぼ中央にある蝶形骨洞という4つの副鼻腔が左右一対で存在しま す。

膿が溜まっていなくても、粘稠な分泌物が出続け、喉にまわる後鼻漏になったり、鼻茸などが出来て鼻づまりがあったり、痰も多く気管支拡張症を併発していたり、それこそ慢性的に経過しなかなか改善しません。しかし最近では、マクロライド系の抗生物質の少量長期投与(半量を3ヶ月から6ヶ月くらい)で改善する例も多く、以前のような手術一辺倒の世界ではなくなりました。

ただ、それでも改善しない例も依然として多く、その場合はやはり手術の適応となります。最近の手術は歯茎をいきなり切る(ルックの手術)ことはほとんどなくなり、内視鏡を使用してモニター下に鼻の中から手術をする内視鏡下鼻 内副鼻腔手術が主流となっています。

以前より安全で痛みも少なくなっています。さらに大きな施設では、カーナビと同じようにCT画像上にナビゲーションされる高価な機械(数千万円単位の)があり、再々手術などで既に普通の解剖を呈していない例や、脳などの危険部位に近い部分の手術などもかなり安全に出来るようになって来ています。

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